ちょこっとコラム 「ちょこっと深読み 「アナ雪2」」 大府で幼児、小中学生のお絵描きならTRILLアートクラス!
年末に観た、「アナと雪の女王2」が色々面白かったので、少しだけその話。ネタバレなしですが、ちょっと小難しい話をします。ごめんね。
今回の作品のテーマは「異なる価値観」と「変化」だったと僕は思います。先回の物語のエンディングは、姉を取り戻した主人公、アナの視点からの「ハッピーエンド」でした。それに対して今回の物語は、「自分とは何か」という問いに一つの結論を得たエルサにとってのハッピーエンドと言えます。
物語の冒頭でエルサは「アナ視点のハッピーエンド」への違和感を覚えて、「変化」を無意識に求め始め、「自分のハッピーエンド」を探し始めます。
一般的に「ハッピーエンド」とは主人公の視点からみた、一方的なものです。しかし、本来、全ての人間は価値観が違うので、一つの「ハッピーエンド」に固執することは、全ての人間のハッピーにすることにはなりません。
ではどうすればいいのか?この物語では「ハッピーエンドを変化させていくこと」が一つの回答として提示されます。
一つの結論に帰結せず、常に結論を変化させよう。変化は怖くないんだ。膠着した一つの価値観にとどまってしまう事の方が恐ろしいよ。そんなメッセージが託されているように思います。
ここで描かれた一方的なハッピーエンドの否定は、「強烈なリーダーシップで、世界を理想的な方向へ導く」という、アメリカ的な理想への大きなクエスチョンであるともいえます。
それは、「人種・性別・宗教」といった様々な価値観の人が、多様な生き方で幸福になるべきではないか?個人の単位でも、国の単位でも互いの尊重を実現することはできないのか?という問いかけです。
そして、その問いかけに向き合いながら生きる上で、行動や生き方の規範となるのは「今できる正しいことをすること」であり、理念や主義・宗教といった固定化されたものではないでしょう。
それは言い換えると、「人道的であれる者の時代」、若しくは「人道的でないと生き残れない時代」の訪れの予言であり宣言でもあるといえます。