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ちょこっとコラム 「ファッションイラストの現実味」 大府で幼児、小中学生のお絵描きならTRILLアートクラス!

先日「リアルクローズ イラストレーションズ」という画集を購入しました。

 マンガ的なキャラクターが、実際にありそうな服(リアルクローズ=現実の服)を着ているお洒落なイラスト集。といった趣の本でとっても見ていて楽しい一冊です。

 今回は、ファッションイラストについてぼんやり考えたことを、つらつらと。※ちょっと難しい内容なので、子どもが読むなら6年生以上向けかなー。と思います。

 こういったイラストレーションは、ここ5年くらいで急増したように思います。その背景には、同時期に広く普及したSNS(instagramとかtiktokとか‥ )の存在が大きいのではないかと、僕は考えています。

 SNSは自分の生活の素敵な面だけををピックアップして見せる、ある種の「フィクション」です。これまでは、「理想のイメージを人々に見せる」ことは、大きな企業や芸能人といった「見知らぬ人からの評価」が売上に直結する人たちの死活問題でした。しかし、最近はすべての人が、「素敵な自分」というフィクションを遊びで公開できてしまいます。そこで皆は気が付いてしまった・・・「これまで自分たちが『素敵!こんな風になりたい!』と捉えてきた企業や芸能人のイメージも、巧みに現実を切り取って構成したフィクションなんじゃない?」と。

 その感覚は、ネットや映像、書籍等で目に入る人間の「嘘臭さ」を浮かび上がらせます。その時、写真に写った人間と、イラストで描かれた人物像の「現実味」の優劣はとても曖昧になります。

 10年前のマンガやアニメ的な絵柄のイラストの中の人物は、大抵が漫画やアニメの世界の服装をしていました。しかし、最初に紹介した様なイラストの中の人物たちは、NIKEやADIDAS、H&MやZARAのような実在の服を身にまとい、現実のファッション写真の様にポーズを取っています。このことは、現代の若者や子ども達にとって、スマホやテレビで目にする実在の人物とイラスト中の非実在の人物が、同等の価値を持つことを示しています。

 このことが、良いことなのか悪いことなのかは簡単には判断できません。でも、僕たちは文化を楽しむと同時に、「その背景には何があるのか」を考える習慣を持っておいて損はないのでは?と思います。

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